【映画レビュー】時計じかけのオレンジ

時計じかけのオレンジ

映画を楽しむポイントはなんですか?

「物語を楽しむ」
「音楽を楽しむ」
「物語の進め方や構成、スピード感やキャラクター要素などを楽しむ」
「魅せ方、セットや衣装などの視覚的要素を楽しむ」

大きくわければ、この四つが映画を楽しむ要素になるでしょう。

今回は、これらが見事融合されているのではないかと考えさせられる作品として

「時計じかけのオレンジ」を紹介します。

本作品は暴力的表現が多いため、社会的な問題提起作品とされています。

しかし、その描写が過激なため賛否両論あります。

ここでは、映画を「楽しむ」という表現ではなく「考えさせられる」と言った表現が正しいと言えると判断したため、上記では「考えさせられる作品」と表現しました。

映画を楽しむ要素は様々です。

このような作品があるという事を知って頂ければ幸いです。

時計じかけのオレンジ

出演: マルコム・マクドウェルパトリック・マギー
監督: スタンリー・キューブリック

発売日: 2010/04/21
時間: 137 分

内容紹介:
素晴らしい。並外れた映像、音楽、台詞そして情感の力作。喧嘩、盗み、歌、タップ・ダンス、暴力。山高帽とエドワード7世風のファッションに身を包んだ、反逆児アレックス(マルコム・マクドウェル)には、独特な楽しみ方がある。それは他人の悲劇を楽しむ方法である。アンソニー・バージェスの小説を元に、異常なほど残忍なアレックスから洗脳され模範市民のアレックスへ、そして再び残忍な性格に戻っていく彼を、スタンリー・キューブリックが近未来バージョンの映画に仕上げた。忘れられないイメージ、飛び上がらせる旋律、アレックスとその仲間の魅惑的な言葉の数々。キューブリックは世にもショッキングな物語を映像化した。当時、議論の的になったこの作品は、ニューヨーク映画批評家協会賞の最優秀作品賞と監督賞を受賞し、アカデミーでは作品賞を含む4部門にノミネートされた。現在でも『時計じかけのオレンジ』のその芸術的な衝撃と誘惑は観る人々を圧倒する。

引用:Amazon

 

この作品は、社会の問題提起作品を軸に「道徳」を訴えている作品だと言えます。

しかし、この映画の注目ポイントはそこだけではないのです。

魅せ方、音楽、セリフにも注目して頂きたい作品です。

70年代の近未来

この映画は70年代のアメリカ映画です。

舞台は近未来のロンドンです。

不良グループの非行が物語前半で描かれています。

その中のグループの一つに主人公アレックスが率いるグループがあります。

アレックスは15歳の少年です。

その非行の数々が、暴力的描写が過激すぎると問題になっています。

しかし、注目して頂きたいポイントは70年代に生み出された近未来という舞台です。

衣裳やセットがとてもユニークで独特です。

70年代に考えられたものと考えて鑑賞すると楽しめるポイントとなります。

そのため、古さを感じるどころか斬新でオシャレな雰囲気を感じます。

色使いもポップで、視覚的に楽しめる点と独特な世界観が妙にクセになります。

ナッドサット言葉

ナッドサット言葉は若者の「スラング」です。

少し古いですが「ギャル」が生み出した造語「チョベリバ」が、ナッドサット言葉のようなものです。

今はネットなどのスラングが多く「メンヘラ」「リア充」などがあります。

つまり「若者が作った造語」です。

そのナッドサット言葉が、とても多く使われています。

筆者が初めて本作品を見た時は調べながら鑑賞したため、とても時間がかかりました。

このような意味不明な言葉は「楽しむ」には不向きだと感じます。

しかし、今だかつてこんな映画があったでしょうか?

このナッドサット言葉こそが、この映画の世界観を生み出し、そしてオシャレに感じさせる要素の一つになっています。

本作品で使われているナッドサット言葉をご紹介します!

デボーチカ(オンナのコ)
ドルーグ(仲間)
フィリー(もてあそぶ、からかう)
ガリバー(頭)
ガリバー痛(頭痛)
ホラーショー(ロシア語のハラショーから、めっちゃ、イケてる)
イン・アウト(入れたり出したり=セックス)
マルチック(オトコのコ)
マレンキー(ちっこい、ちょいと)
ミリセント(ポリ公)
モロコ(牛乳)
オレンジ(ニンゲン、ヤツ、野郎)
ライティ・ライト(オッケー)
スパチカ(ぐっすり、ねんね)
トルチョック(乱暴する、ボコボコにしちまう)
ビディー(見る)
ヤーブロッコ(キンタマ、クソ野郎)

引用:Columeegg  

クラシックが衝撃的世界観

この映画で音楽は重要な役割をしています。

とにかくアレックスが大好きなベートーベンが多く使われています。

そのベートーベンがまた、独特な世界観と共にスピード感を感じさせます。

ベートーベンの第九交響曲が効果的に使われるのですが、普段感じるクラッシックとは全く違った印象を受けます。

クラッシックなのに、とても入り込むことが出来るのです。

眠くなったりなどしません。

そして、本作品のキーとなる音楽のもう一つに「雨に唄えば」があります。

ミュージカルソングとしてとても有名な歌なのですが、ポップでレトロなこの歌も

オシャレに感じさせる音楽の一つです。

音楽を愛しているアレックスがなぜ、これほどまでに非行に走るのかは謎な部分です。

この「雨に唄えば」も、強盗に入った家で暴力シーンの際に楽しそうに歌っています。

どこか憎めないアレックスを音楽によって生み出したのではないでしょうか。

本作はアレックスの「語り」で進められています。

主人公のキャラクターをチャーミングに感じさせるのも、物語に嫌悪感をあまり感じさせないような演出だと考えられます。

もしそういった意図でなかったにしろ、この映画の音楽はとてもオシャレに感じさせ、興味がない人がクラッシックを聴きたいとまで思わさせるような作品に仕上がっています。

「時計じかけのオレンジ」が意味する事

タイトルにはどんな意味があるのでしょうか?

「オレンジ」的要素を感じられるシーンや内容はどこにもありません。

じつは「オレンジ」もナッドサット言葉なのです。

本編では出てきてはいませんが「オレンジ」とはナッドサット言葉で「人間」という意味なのです。

つまり「時計じかけの人間」となります。

これはアレックスが新療法により強制的に「暴力的」な事に吐き気を催すような「無害な人間」に改造させられた事を意味しています。

そしてロシアの下町の言葉で「何を考えているか分からない人」という意味もあります。

強制的に無害な人になると言う事は「本当の意味での改心」ではありません。

機械のように、強制的に制御されたアレックスが、まさに「時計じかけの人間」になったのです。

また「時計じかけ」=「爆弾」という説もあるので、本編からタイトルの意味を読み取ることも、映画を楽しむポイントになるのではないでしょうか。

まとめ

いかがでしたか?

こういった映画が70年代に作られたと言う事が素晴らしいです。

今でこそ、CGなどで映像美に魅了させられる作品が多くなったと言われますが

この「時計じかけのオレンジ」は、スタンリー・キューブリックの世界観が見事です。

このような見せ方こそが映画ファンを虜にさせるのだと考えさせられます。

暴力的描写が過激だと言う事で賛否両論ある作品ではありますが、この「問題作」だとされる事こそが、「良い作品」の要素だとも思わせます。

良くも悪くも話題になる作品は「見事」なのです。

このように、映画を楽しむポイントとして「セットや衣装、音楽」などの世界観を楽しんでみてはいかがでしょうか?

今までとは違った映画の見方が出来ますよ。

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